6.13.2011

このエントリーをはてなブックマークに追加

既存業界の矛盾に挑む!74年ぶりに独立系生保として誕生した保険会社




道を切り開く為のビジネスのヒント                No.28
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

先日の日経で、各業界の時価総額の順位が入れ替わっていると
代表的な会社が紹介されていましたが

広告業界では、博報堂がサイバーエージェントに時価総額が追い抜かれ
広告業界3位となった模様。
時代の移り変わりが本当に早いと改めて気付きますね。

それでは、今週の道を切り開く為のビジネスのヒント!


◆【注目の企業】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇ 既存業界の矛盾に挑む!74年ぶりに独立系生保として誕生した保険会社
◇  
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆  ライフネット生命保険株式会社

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



今回ご紹介するのはライフネット生命株式会社。
最近では、TVCMも勢力的に展開しているので、ご存知の方も多いのではな
いでしょうか。

実はこの会社2008年に創業したばかり、それも既存の保険会社から商品を仕入
れて販売する代理店ではなく、独立系生保としてゼロから新しい生命保険会社
を作られました。

創業者自身も、まさか生命保険会社を自分で作れるなんて思っていなかったと
語っておられます。

どういった経緯で生命保険会社を作られたのか
何故、生命保険会社を作ったのか
先日、同社の副社長、岩瀬 大輔氏の講演を聞く機会がございましたので
その中から一部をご紹介させて頂きます。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆  今までに関わりも経験もなし!
◆  保険業界にチャンスがあると提案されたから

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

創業の経緯は、保険業界にチャンスがあると提案されたから
この事実には驚きでした。

起業において、全くの別の業種業界にチャレンジすること自体は、リスクはあ
るものの、そうしたケースで成功されている方も多いと思いますが
起業家自身が、目指すべき仕事を自分で見つけるのではなく、”提案された”
という事実に驚きました。

岩瀬氏自身、ビジネスは意外性や地味であるほうが、面白いと思っていたそう
なのですが、その柔軟性は多くの起業家や経営者が見習うべきかもしれません。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆  保険業界は大きな矛盾と非効率が温存されている
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

何故、保険会社を作ったのか

創業に進む中で、ライフネット生命保険株式会社の社長、出口氏との出会いが
あった。岩瀬氏と違い、出口氏は保険業界との関わりは深く、既存業界の問題
を肌で感じ、良く理解していた。

岩瀬氏はハーバードで学んだことで知られるが
事業戦略を考える上で、ハーバードのフレームワークに落とし込み
保険業界にチャレンジすべきかを考えたようです。

ハーバード流フレームワーク3つの視点とは
1.市場が大きいこと
2.大きな矛盾と非効率が温存されていること
3.変化


これを保険業界に置き換えると

1.市場が大きいこと
市場規模は40兆円~住宅に次いで2番目に高い

2.大きな矛盾と非効率が温存されていること
一人あたりの保障金額は他国の数倍~必要以上の保障額を設定している!?
保険料が高い、手数料が高い~高いコスト体質である
保険の営業に疑問~保険の営業を辞めたい人がほとんど
こういう人達が、高額商品を売っていることはおかしくないか
・・・等々

3.変化
96年の保険業法の大改正
保険料の自由化


ハーバードで学んだ岩瀬氏の経営戦略論と
保険業界での経験や深い関わりを持つ出口氏のタッグにより
勝てるビジネスを見出した上で事業をスタートさせたことが解ります。

保険業界にチャンスがあることを顕在化させたこと。また、保険料を半分にし
て安心して赤ちゃんを産み育てる社会に少しでも貢献したい」という起業の動
機が、事業の成長をイメージさせ、多くの方に共感を産むことによって、消費
者、投資家に支持される事業、会社になったのではないでしょうか


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆  何が出来るかではなく、何が世の中に求められているか
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

事業を創造する上で大切なことは、市場、顧客の要望をいかに汲み取るか
何が出来るかではなく、何が世の中に求められているかを徹底的に考え、市場
のニーズを調べなければ、事業は成功し得ない。

保険業界の大きな矛盾に挑む、ライフネット生命保険からは、事業の転換期を
迎える会社、これから起業を志す方にとって多くを学べるのではないでしょう
か。これからの成長が非常に期待出来る注目の企業です。



◆関連リンク
ライフネット生命保険株式会社
http://www.lifenet-seimei.co.jp/

〓〓編集後記〓〓
保険は複雑でよく解らないものという常識に対して、ライフネット生命はこれ
をいかに解り易く伝えるかをwebサイトの役割とされています。
ネット直販の販売方式を取っておられるため、マーケティングに非常に力を入
れておられますが、情報の出し方や見せ方なども非常に参考になります。

経営理念や事業コンセプト、ビジョンに相当するであろう「ライフネットの生
命保険マニフェスト」は新しい表現ですね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






0 件のコメント:

コメントを投稿