7.28.2011

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ライフネット生命保険 出口治明氏より
学んだ二つのテーマ




道を切り開く為のビジネスのヒント                No.31
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上記写真はライフネット生命保険出口社長が常に持ち歩き、配られているパンフレット
街頭で時に居酒屋などでも、見知らぬ人にお声掛けし、紹介されていらしゃる
そうです。トップの行動力に脱帽です。


先日、大阪産業創造館が主催するセミナーにライフネット生命保険の出口社長が講
演されるとのことで、参加させて頂きました。

74年ぶりに独立系保険会社として創業、保険業界の大きな矛盾と非効率に着目
し、生命保険料を半分にするという業界を覆すほどのビジネスに挑戦。注目を
集めるとともに、安く、シンプルで解り易い商品が支持され、2008年の創業か
ら早くも保険契約数は7万件を突破。

更に、2011年度版 オリコン顧客満足度ランキング「医療保険部門」総合第1
位を受賞するなど、保険商品、サービス力ともに高く評価されています。
ライフネット生命の事業内容や起業については、前回の記事をご覧ください。

今回のライフネット生命出口社長の講演の中から、筆者が注目した2つのテー
マをご紹介させて頂きます。

一つ目のテーマは

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◆  森の姿を知り、自分(会社)が何をすべきかを決める
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木を見て森を見ずということわざがありますが、全体を見渡さなければ、その
場限りの動きとなってしまい、良い結果を生み出すことが出来ない。当たり前
のことなのですが、普段変わりなく仕事や生活をしていると、視野も狭くなり、
おのずとそういった状態に陥ってしまいます。

出口氏はこのように語っておられました
「会社の経営というのは世界経営計画の中のサブシステムであり
世界をどう良く変えていくかという視点の中で、自分(自社)がどのパーツを受け持つか」

その為には今の世界はどういう状態にあるのか、日本はどういう状態なのか、
それを知った上で行動をしなければなら良い結果を得られないないということ
です。

ただ、世の中を知るというスキルは難しいもので、新聞やTV、ネットだけで
なく、出口氏が話されていた「タテ・ヨコ思考」が大切。自分より上の世代の
方と話したり、過去のことが記された書籍、自分とは異なる業界の人や、海外
の人の話しを聞くなど、あらゆる視点からの情報を集めることで、自分なりの
視点、意見を養うことが出来るようになるのです。

中国がネットの閲覧制限や国民が情報操作されていると、揶揄されていますが、
日本も同じようなものですね、世にあふれている情報を鵜呑みにするのではな
く、様々な視点から、真実を見極めるということが、この世界を生き抜く、競
争に勝つための重要なポイントであると、改めて学ばせて頂きました。


二つ目のテーマは

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◆  ビジネスは国語ではなく、算数で考える
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世の中で起きていることを、数字に置き換えて解釈する。数字の情報から、事
実を把握する。ビジネスはファクト・ロジック(国語ではなく)算数で考える
ことが基本であると、繰り返し出口氏は話されていました。

ライフネット生命が取り組む、生命保険の講話の中では、顧客ターゲットを20
代、30代の若い子育て世代に設定した理由について、1世帯当たりの所得金額
がこの10年で16%減少し、中でも年代別に見ると若い世代が一番貧しいことを、
数字(データ)で解説し、保険料の内訳についても、他社と比べてどれだけ異
なるか、統計データや、同社が顧客に対して行ったアンケートなどから、非常に解
り易く話されていました。

情報を相手に伝える際、問題点や比較する点を、言葉だけでなく、数字で表し
ファクト・ロジックで伝えることによって、正確な判断基準を与えることが出
来るのです。

同社は出資者を募る際、人間関係からの出資は公共性ある事業の為、一切行わ
なかったようで、ファクトとロジックで表したビジネスモデル、そして事業へ
の理念を落とし込んだ計画で、全く知らない会社にお願いして回ったそうです。

出口氏の講話はファクト・ロジックで非常に説得力があり、多くのことを学ぶ
ことが出来ました。

◆関連リンク
ライフネット生命保険株式会社
http://www.lifenet-seimei.co.jp/

既存業界の矛盾に挑む!74年ぶりに独立系生保として誕生した保険会社




〓〓編集後記〓〓
この「世界をどう良く変えていくかという視点の中で、自分(自社)がどの
パーツを受け持つか」という言葉は、解り易く、今回のセミナーの中で、私の
中に一番響いた言葉でした。人は一人では生きれませんし、たとえ小さな存在
であったとしても、世界と繋がっている。どう生きるかを常に考え、行動に移
して参りたいと思います。
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◆blog版-道を切り開く為のビジネスのヒント-
http://biz-open.blogspot.com/
:発行人:宮下

7.22.2011

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建築家との家づくりにサプライチェーン・マネジメントを確立

道を切り開く為のビジネスのヒント                No.30
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突然ですが、商品やサービスの価格、皆さんどうやって決めておられますか?
色んな方法があるかと思いますが

日経ビジネスに載っていた日本マクドナルド原田泳幸の経営教室から、一部を
紹介したいと思います。

日本マクドナルの基本的な考え方は、「デマンドベースプライシング」これは
原価や、経費などのコストや競合商品の価格と関係なく、ある商品の価値に対
して、顧客がどこまで対価を払ってくれるかという値付けのメカニズムで、商
品についてどこまで値段を上げたら客数が減り始めるか、分岐点を定めてから
価格を決められるようです。

100円マックや次々に打ち出される値引きや新商品など、話題が絶えないマク
ドナルですが、客数・客単価を上下へ巧みに操ることで、商品やサービスの価
値を高めつつ、客数を増やし、その結果、売上高を伸ばされているようです。

安易な値下げは好ましくないですが、価格を下げれば客が増える。それを知り
えた上で、いかに長期的な価格戦略を取っていくかという、非常に参考になる
内容でした。



◆【注目の企業】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇ 建築家との家づくりにサプライチェーン・マネジメントを確立

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◆  アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社

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今回ご紹介するのは、日本最大級の建築家ネットワークを構築し、建築家との
家づくりを支援するアーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社。



注文住宅やリフォームにおいて、従来のように工務店やハウスメーカーに依頼
する他、もっと自分にあったライフスタイルを実現したい、もっとお洒落な家
を建てたいなど、家づくりにおける多様な要望を満たす為に、家を建築すると
きに建築家に設計を依頼したいと考える人は、随分と増えてきているようです。

こうしたニーズを背景に建築家をネットワーク化して紹介するというサービス
も色々と増え、建築家との出会い、建築家への設計の依頼は増えているようで
すが、一般的にで建築家にお願いするとなると、以下のような注意や問題が上
げられます。


・理想の建築家さんをどうやって探すか
・建築家さんの相談料やプランニング料が気になる
・施工会社はちゃんと見つかるか?
※一般には建築家が指定の会社、または複数の施工会社に見積を出したりなど
して、施工会社を決めるようです。
・色々な要望やデザインを追求したが、完成の保障はされるのか?
・設計料や全体の建築費用はハウスメーカーや工務店と比べてどうか?
・・等々

こうした問題をを解決する為に、日本最大級の建築家ネットワークを構築し、
建築家との出会いを提供。更に、その後の施工、完成後の引き渡し、メンテン
ンス迄、一貫したサービスを提供し、建築家との家づくりにサプライチェーン・
マネジメントを確立したのがアーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社。


建築家の設計は重要ですが、設計だけでは家は建たず、コストはもちろん、複
雑な建築に対応する優秀な工務店・建設会社の力が重要です。

アーキテクツ・スタジオ・ジャパンは建築家だけではなく、工務店・建設会社
に焦点をあて、工務店・建築会社に直接アーキテクツ・スタジオ・ジャパンの
システムを運営頂くことにより、余計な紹介システムのコストカット、スター
トアップから建築家とアーキテクツ・スタジオ・ジャパンのスタジオ(工務店・
建設会社)施工サイドのコラボレーションによって、多様な要望に伴う設計を
しっかりと施工会社が実現する仕組みを作られました。



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◆  サプライチェーンによる間接コストのカット、製品価値の向上
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家づくりという非常に高価な買い物における、不安を取り除き、建築家、施工
会社の品質、サービスを向上させる素晴らしい仕組みですね。
今後も活躍が期待出来る注目の企業です。


◆関連リンク
アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社
http://www.asj-net.com/



〓〓編集後記〓〓
先日、プライベートでフランスに行きましたが、ヨーロッパの国の多くは街の
景観を守るため、新築や建て替えに辺り色々と制限があるようです。屋根の色、
壁の色、窓の形状・・等々。フランスに住んでる方に聞くと、日本のように自
由に建物を建てられることはほとんどないとか。

先進性や優れたデザインの建物も魅力ですが、ヨーロッパの多くの街のように、
数百年の時を超えて建物を大切にし、景観を守り、数世代に渡って色んな方が
住まれている様子を見ると灌漑深さがありました。
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◆blog版-道を切り開く為のビジネスのヒント-
http://biz-open.blogspot.com/
:発行人:宮下

7.08.2011

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不安、不満を解消。廃棄物処理の基準値が業界を繋ぎ、活性化させる!




道を切り開く為のビジネスのヒント                No.29
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大阪にこの春開業した伊勢丹が苦戦しているようですね。
日経ビジネスの記事では、百貨店が独自に売場を作る自主編集売場、商品では
なくライフスタイルを提案するという形が、解りづらく、受け入れられていな
いようだとか。

あれだけの立地で毎日ものすごい数の人が来客されるのであれば、お客に伺い
をたて、日々売場を改善すれば良いと思うのですが、百貨店のプライド、他店
との差別化を見据えた上で、伊勢丹流に挑んでいるのでしょうか
まだまだスタート段階ですので、今後が楽しみですね。


◆【注目の企業】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇ 不安、不満を解消。廃棄物処理の基準値が業界を繋ぎ、活性化させる!

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◆  エコスタッフ・ジャパン株式会社

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今回ご紹介するのは全国の優良な廃棄物処理・リサイクル企業をネットワーク
化するエコスタッフ・ジャパン株式会社。

環境意識の高まりにより、リサイクルの動きは高まっていますが、グローバル
経済の加速、特に新興国を中心とした人口の拡大により廃棄物は増え続け、
界では年間150億トン、日本では約4億7千万トンの廃棄物が排出されています。

日本はもともと国土面積が狭く、環境問題からも、廃棄物の最終処分場建設
(埋立て)は困難を極めています。そういった状況から、廃棄物処理に関して
は必然的に「捨てるための処理(減量、減容)」から「活かすための処理(リ
サイクル)」へ移行してきています。

環境省廃棄物対策課の資料によると全体排出量のうち、最終処分(埋立て)さ
れるものは僅か6%と、リサイクルでの処理が大半を占めている。
※この数字が他国と比べどの程度優れているか、調査出来ませんでしたが、情
報を確認次第、追記致します。


この廃棄物処理の業界は、日本が世界に誇れる分野であるが、日本の業界事情
は一部上場している大手企業も存在するものの、中小企業が数多くを占め、新
規参入も相次ぎ、乱立状態、価格競争による業界が弱体化する問題も起こって
いる。

また、排出事業者も製造、流通、サービス、金融業など幅広く、実際の廃棄物
も多岐に渡り、廃棄物をどこの廃棄物処理会社に頼めば適切に処理が行われる
かどうかかいう、業者選定の難しさも、情報が整っていない為生じている。

そうした課題に目をつけ、開発されたビジネスが、優良な廃棄物処理・リサイ
クル企業を全国ネットワーク化し、認定基準を定め、サービス品質を全国標準
化するエコスタッフ・ジャパンのビジネスモデル。

現在、認定企業は33社。世界トップレベルのリサイクル技術を持った業者が集
まる。民間独自で全国統一の教育メニューを職種別・継続的に実施するという
前例のない取り組みを行い、その他でも、衆議院議員との意見交換会や、経済
産業省を始めとする関係機関との個別勉強会、一部上場企業との各種提携話な
ど、一民間企業の枠を超えた活動になっておられるようです。 

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◆  業界の不安と不透明さに着目、基準値を設ける
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廃棄物処理のリサイクルの分野は、地方の企業が着々と技術を積み重ねて来ま
したが、参入企業が増える中で、価格破壊が起こったり、技術の不透明さから
業界が弱体化し始めたりと、日本の場合M&Aなどで業界再編があまり進まない
為、こうした状況に陥ってしまうようです。

不透明な業界に基準値を設けることで、利用者への信頼ある情報提供、業界の
サービス品質向上と業界を活性化させる手法を取る優れたビジネスモデルを手
掛けられています。


◆関連リンク
エコスタッフ・ジャパン株式会社
http://ecostaff.jp/index.html

〓〓編集後記〓〓
家庭が排出される一般廃棄物(ごみ)は、全体の11%。廃棄物のほとんどが産
業廃棄物なんですね。日本では法の整備が進み、多くの企業がリサイクルや適
切な廃棄処理に取り組んでいると思われますが、新興国などはまだまだそうし
た環境は整っていないと思います。この分野でも日本が世界に技術を届けるこ
とで大きな役割を担うことが出来そうですね。
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