3.26.2011

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農機を投資案件に仕立てた発想の転換

道を切り開く為のビジネスのヒント                No.22
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◆【凄い!ビジネスモデル研究】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇  農機を投資案件に仕立てた発想の転換

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◆ → 農機メーカークボタ  日経ビジネス 2011.3.21

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クボタが農機販売で中国に進出したのは1998年。ゼロからのスタートでしたが、
順調に拡大し、2001年の販売台数、年間500台から2009年には年間6600台へ。
中国メーカーを圧倒し、約7割という驚異的なシェアを誇っている。

しかし、販売開始当時は全く売れなかった。なぜなら、クボタのコンバインの
価格は36万元。平均年収約2000元の時代に、年収の10倍以上する農機を買える
余裕が一般農家にはなかったからである。

そこで、販売ターゲットを一般農家から地元有力者や、投資余力のある層に切
り替え、儲かる投資案件としてアプローチを始めたことが、需要を掘り起こし、
徐々に売れ始める。

購入者は刈り取りの作業者を雇い、コンバインをトラックに載せて広大な中国
各地を縦走、農家から刈り取り作業を請け負って、コンバインの稼働率を上げ、
短期間に投資を回収することが出来るのである。

こうして2000年代に入ると、貸刈家という業態が中国で認知されるまでに成長
を遂げる。そして、クボタが人気を博していることには、日本製の商品力とサ
ービス力。故障が少なく稼働率が高く、燃費が良い。また、故障してもすぐ修
理が出来るサービス体制などがあるようだ。

驚いたのが、貸刈家は集団で農地を縦走。多い時には800台ものトラックがコ
ンバインを乗せて、一斉に移動するようだが、アフターサービスを行うサービ
スセンターが、農地より遠くにあると、故障時の普及に時間が掛かってしまう
とコンバインの稼働率を下げてしまうことから、販売代理店と協力して、この
貸刈家の集団にメンテナンス部隊がついていっているというのである。

更に、クボタは購入者に対して、別の貸刈家がまだ抑えていない農地を紹介し
て仕事を増やす手伝いを行ったり、同業者による価格競争を起きないような仕
組みを作るなど、関係者の利益がしっかりとれるよう、決めこまやかなビジネ
スを作り上げているのである。


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◆  農機を売るのではなく、儲かるビジネスを売る
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これだけの仕組みと高い商品力があれば、圧倒的なシェアとなっていることも
うなづける。商品を誰に、どうやって売るのか、視点と発想を変えれば、到底
難しいと思える難題も、解決出来るという素晴らしい事例ではないでしょうか


◇関連リンク
株式会社クボタ
http://www.kubota.co.jp/
中国・稲作革新への道
http://giweb.kubota.co.jp/asianage/asianage02_01/index2.html


〓〓編集後記〓〓
一日も早い救援、復興を祈ると共に
ひとりひとりが出来ることを呼びかけて参ります。
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◆blog版-道を切り開く為のビジネスのヒント-
http://biz-open.blogspot.com/
:発行人:宮下

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